STPのトポロジー
スパニングツリーのトポロジーには2種類があります。複数のVLANが存在する場合でも1つのトポロジーを構成するCST( Common Spanning Tree )と、
複数のVLANが存在する際にVLANごとに個別のトポロジーを構成するPVST+(Per-VLAN Spanning Tree Plus)
この二つに分けることができます。
CST
CSTではVLAN数に関係なく全体で1つのトポロジー(ネットワークの接続形態を点と線でモデル化したもの)となるため、VLAN ごとのロードバランシング(負荷を分散すること)ができません。
図を見て見ましょう。VLANごとにルートブリッジがあるわけではないので、SW Aに対してVLAN20,30ともデータ送信を行います。(この道をルートAとします)
そして VLAN30からSW Bを(ルートBとします)これはVLAN20,30 はSW Aがルートブリッジとしているので、ルートAが障害がない限りルートBはルートブリッジにならないということです。
PVST+
VLANごとにSTPトポロジーを構成できるため、VLANごとのロードバランシング通信が可能です。
PVST+では1台のスイッチでVLANごとにブリッジプライオリティを設定できるため、
SWAがVLAN20のルートブリッジ、SWBがVLAN30のルートブリッジという決定ができます。またRPやNDPなどもVLAN単位で決定可能です
CSTのブリッジID
ブリッジプライオリティとMACアドレスにより構成されており、デフォルトで全てのVLANでブリッジプライオリティは 32768 がデフォルト値で設定されています
PVST+ のブリッジID
ブリッジIDはブリッジプライオリティ、拡張システムID、MACアドレスによって構成されています
VLANごとにSTPのトポロジーを構成することができるため、ブリッジIDにVLAN ID情報(拡張システムIDに格納)を含めています。
プライオリティ値は4096の単位でのみ設定できます。
次のページ ★6STPの有効化と設定