STPの基本動作
①ルートブリッジの選定
スパニングツリーでは、以下のようにツリー状にスイッチを構成するため、ツリーの中心となるルートブリッジを最初に決定しないといけません。ルートブリッジにはブリッジIDが最も小さなスイッチが選ばれます。
最初にスパニングツリーが有効なスイッチはBPDUを送信します。
BPDUにはブリッジIDの情報が入っています。各スイッチは、隣接スイッチから受信したBPDUのブリッジIDと自身のブリッジIDを比較し合います。
ブリッジIDを比較する際に、最初にブリッジプライオリティ値を比較してこの値がもっとも少ない場合ものがルートブリッジになります。
②ルートポートの設定(RP)
スパニングツリーではルートブリッジの選出後、ルートポートを選出することになります。ルートポートは、ルートブリッジに最も近いポートになります。
ちなみに最も近いの意味ですが、 ルートブリッジに至るパスコストが最も小さいことを意味します。
ルートブリッジに至るパスコストの合計値の事をルートパスコストと言います。
左から速度 右がパスコスト
10Gbps | 2 |
1Gbps | 4 |
100Mbps | 19 |
10Mbps | 100 |
ルートブリッジはパスコスト 0 でBPDUを送信します非ルートブリッジのSWBとSWCのポートAでは受信したBPDUのパスコストに自身のコスト値 4 を加算するので(1G=パスコスト4、速度に伴って加算されるので)SWBとSWCのポートAのルートパスコストは4 になります。
次にSWBとSWCもBPDUを送信し合い、受信したBPDUのパスコストに自身のコスト値 4 を加算するので、SWBとSWCのポートBのルートパスコストは 8になります。
この場合、ルートブリッジAに一番近いBのA,CのAがルートポートになります。
③指定ポート(DP)の選出
ルートブリッジを選出して、ルートポートを選出した後は指定ポートを選出します。
指定ポートは各リンク(各スイッチ間)でルートブリッジに最も近いポートです。
わかりづらいので以下に指定ポートの選出基準をまとめました。
①各リンク(各スイッチ間)のどちらかの1ポートが指定ポートになります
②ルートブリッジの全てのポートは必ず指定ポートになります
③指定ポートは「最も小さいルートパスコストのRPを持つスイッチ側のポート」が指定ポートになります
これでDPの選出方法がわかりました。
④非指定ポート(NDP)の選出
ルートポート、指定ポートにも選出されなかった残りのポートが非指定ポートになります
こんなときはどうするか
下図のスイッチでは、プライオリティ値が小さいSWAがルートブリッジになります。次にルートポートの選出です。2つのリンクの帯域幅が同じなのでルートパスコストは同じになります。そして、同じスイッチなので送信元ブリッジIDも同じになります。これでは決めようがありません。
なので選定基準の送信元ポートIDを見ます。送信元ポートIDはポートプライオリティ+ポート番号で決められます。
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