IPV6アドレスとIPV4アドレス
今回はIPV6アドレスというものを皆さんと勉強していきますが、あまり馴染みがないかもしれません。よく皆さんが見ている192.168.1.1みたいなアドレスはIPV4アドレスと言います。
しかし時は進み、IPv4アドレスは枯渇していきます。IPv4はアドレス長が32ビットなので最大43億の割り当てが可能ですが、世界中でインターネットサイトがある昨今、このアドレスが足りなくなってしまったのです。
そこでIPV6アドレスが登場します。IPv6は、アドレス長が128ビットなので最大340澗 個(私もよくわかりませんが兆よりだいぶ上)のIPアドレスを割り当てることが可能になり、IPアドレス枯渇の問題は解消したと言えます。
IPV6アドレスの特徴
では簡単に何が良いかをまとめます。
広大なアドレス空間 | IPv6は128ビットアドレスであることから、気兼ねなくアドレスを振ることができる |
効率的な経路集約 | IPv6アドレスの階層構造が厳密であるため、より効率的な経路集約を実現し、ルータの負荷を軽減が可能に |
ヘッダの簡素化 | パケット転送時のルーティング処理による負荷が軽減 |
自動設定 | プラグアンドプレイ(ケーブル刺してすぐ使えること)自動的にIPv6アドレスを使用できる。 |
ブロードキャストの廃止 | ブロードキャストを廃止することにより、負荷を軽減。 |
IPモビリティ | 移動通信中でも同一のIPアドレスを使用して通信を途切れなく通信できる。 |
セキュリティ機能の標準化 | IPv6はIPsecの実装がIPsecが標準設定されているためセキュリティ機能が高(IPsec(Security Architecture for Internet Protocol、アイピーセック)は、 暗号技術を用いることで、IP パケット単位で改竄検知や秘匿機能を提供するプロトコル) |
ヘッダフォーマット
下記のようになっています。
IPv6ではIPV4であった、ヘッダチェックサムが削除されていますが不要とのことで削除されました。一方「フローラベル」という新たなフィールドが追加されました。アプリケーションフローの効率的な選定に使われる
IPv6では「ネクストヘッダ」にTCP/UDPなどの上位層の
プロトコルが指定されている場合は、拡張ヘッダがないと判断します。
バージョン | 4 | IPv6 を意味する |
トラフィッククラス | 8 | IPv4のToSに該当するフィールド。 |
フローラベル | 20 | アプリケーションフローの効率的な選定に使われる |
ペイロード長 | 16 | IPv6拡張ヘッダ」と「データ」の合計の長さ |
ネクストヘッダ | 8 | IPv4の 「プロトコル」 に該当するフィールド。 |
ホップリミット | 8 | IPv4のTTLに該当するフィールド。通過できるルータの数を制限する。 |
送信元アドレス | 128 | 送信元のIPv6アドレス |
宛先アドレス | 128 | あて先のIPv6アドレス |
IPV4からIPV6への移行方法
IPv4からIPv6ネットワークへいきなり全てのシステムを切り替えるのは現実的ではなく、段階的な移行が必要とされます。
その際に使われる技術としてデュアルスタック、トンネリング、トランスレーターです。
デュアルスタック
IPv4とIPv6の異なるプロトコルスタックを両方のアドレスを設定し、同じネットワーク間で使用する移行技術
トンネリング
トンネリングは、IPv4ネットワークを経由してIPv6の通信を行う通信方式です
トンネリングの手法は大きく手動トンネリング、自動トンネリングの2種類がある。
手動トンネリング
手動トンネル | 手動でトンネル出口の接続先のアドレスを設定 |
6to4トンネル | IPv6パケットをIPv4パケットのペイロードとしてカプセル化(IPv4プロトコル番号41を指定) ◆ トンネルモードの設定 ⇒ tunnel mode ipv6ip 6to4 |
ISATAPトンネル | IPV4ネットワーク上のISATAPホストとISATAPルーター間で、トンネルを動的に接続する。トンネル経由でIPV6と設定可能。 ◆ トンネルモードの設定 ⇒ tunnel mode ipv6ip isatap |
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