EIGRPの概要
ではルーティングの基礎をおさらいしたところでEIGRPの設定を行ってみよう。まずEIGRPどんなものなのかを再度確認をしたい。
EIGRPとは
①Cisco独自のプロトコルを使用 シスコ独自のプロトコルである
②ハイブリッド型プロトコル ディスタンスベクタ型&リンクステート型の共通点を組み合わせたルーティング。
③複合メトリックの使用 メトリック値に「帯域幅、遅延、信頼性、負荷、MTU」などを組み合わせたメトリック値を採用
⑤クラスレスのサポート 通知するルート情報にサブネットマスクを含められるクラスレスルーティングを採用している
⑥手動経路集約 手動経路集約が可能。
⑦マルチキャストの使用 EIGRPパケットは全てマルチキャストやユニキャストで送信されます。224.0.0.10で送信されます。
⑧コンバージェンスの高速化 DUALにより最適ルートとバックアップルートを選択している(DUALの説明は後で)
EIGRPテーブル
ネイバーテーブル、トポロジテーブル、ルーティングテーブルの3つのテーブルがあります
①ネイバーテーブル Helloパケットによりネイバー関係が確立されたEIGRPルータのネイバーリスト。ネイバーのアドレスとネイバーに隣接するインターフェイスが記載されています。
②トポロジテーブル 学習した宛先ネットワークへの全てのルートを保持するデータベース。EIGRPネットワークにおける送信先ネットワークの一覧と、それぞれのメトリック情報のテーブルである。そして、それぞれの送信先について、サクセサが記述してある。ルーティングが安定している送信先は「パッシブ」、ルーティングに変更があり更新中の送信先は「アクティブ」とされている
③ルーティングテーブル トポロジテーブルから得られた最適ルート。受信したパケット転送の際に使用。実際のルーティングで使用される。
DUAL
EIGRPでは高速収束の実現のために、DUAL(Diffusing Update Algorithmを使用します
DUALは受信した経路情報に基づいて計算して、最適な経路を計算します。
結果、「ネクストホップから宛先ネットワーク(アドバイタズドディスタンス(AD)」をルーティングテーブルに保存して、「ローカルルーターから宛先ネットワークへ(フィージブルサクセサ(FD)」をトポロジーテーブルへ保存します。
サクセサとフィージブルサクセサ
サクセサ
ループにならない(経路が一つのみ)が保証されている最小のコスト(最小FD)をもつネクストホップルーターです。
フィージブルサクセサ
バックアップルート。サクセサのダウン時に即サクセサとなるルート。
サクセサとフィージブルサクセサの選択
サクセサ
ルーティングテーブルに格納される最適ルート (サクセサ) は、トポロジテーブルで最小のFDを持つルートです。
図では2000、3000、5000を比較すると 2000 が最小なのでR2経由のルートがサクセサになります
フィージブルサクセサ
バックアップルート (フィージブルサクセサ) になれるのはサクセサのFD (2000) よりも小さいADを持つルートです
R4にないます
宛先 |
ネクストホップ | FD | AD |
R5 |
R2 |
2000 |
2000 |
R5 |
R3 |
3000 |
3000 |
R5 |
R4 |
4000 |
1000 |
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