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ルーターとは
ルーターはネットワーク間を相互接続する通信機器であり、通常はOSI基本参照モデルでの第1層(物理層)から第3層(ネットワーク層)までの接続を担う。一般的に用いられるルーターは、基本機能として各ネットワーク間でのIPパケット(第3層)をやり取りできるようにする装置であるが、実際は基本に加えてさまざまな付加機能を実現している。
ルーター前史
976年、米BNN社の手によってARPANETに繋ぐ、IP対応ルーターが世界で初めて製品化された。この「ルーター」は、米DEC社の16ビット・ミニコン「PDP-11」上で、アセンブリ言語で書いた20Kバイトのルータープログラムを走らせるものであった。処理速度は100パケット/秒程度であった[3]。 1982年にはARPANETの内部や米国・欧州を合わせて20以上のルーターと数百のホスト・コンピュータが1つに繋がれた。これが今のインターネットの原型となった[2]。
接続(インターフェース)[編集]

ADSLルーターの接続ポート
ルーターは、ネットワークセグメントの異なるLAN側のインターフェースや、WAN側のインターフェースなどの中から2つ以上の物理インターフェースを有する。
- 主な物理インターフェースの種類
- WAN側
- ISDN PRI/BRI
- シリアル
- WAN網に送出されるデータはデータリンク層プロトコルによりカプセル化される。プロトコルの種類には、HDLC、PPP、X.25/LAPB、フレームリレー、ATMなどがある[9]。
- LAN側
- イーサネット (Ethernet)
- WAN側
それぞれの物理インターフェースは、様々な回線種別に対応しており、タイプとして固定型とモジュラー型に分かれる[10]。タイプを選択することにより、ユーザーのサービスにあわせた柔軟な対応ができる。ATMを使ったセルリレーや、フレームリレーなどデータリンク層への接続には、WAN側のインタフェースカードの交換、シリアルケーブルでデバイス (DTE) と接続、インターフェースの設定を行うことによって接続が可能となる。
ルーターへの基本設定
先ほどはスイッチに対して設定を行ったが今回はルーターと呼ばれる機器に対して設定を行う。
先ほどと基本設定は変わらない
では練習で下記のコマンドをパケットトレーサーで入力してみましょう
練習用 この中にあるルーターを選択して、パケットトレーサーで入力をしてください
ホスト名の設定
enable → configure → hostname 任意の名前 interface を選択後 ip addressを入力
スピードと全二重か半二重かを決めましょう。
そのほかのコマンドは後ほど紹介します
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余談(予習)
IPV4の経路を書いておきます。のちに覚えることになります
ルーターは、受信パケットの宛先情報から経路選択をおこなう。これをルーティング (Routing) という。ルーティングを実施する際にルーティングテーブルの情報が参照される。その情報を元にパケットの転送をおこなう。これをフォワーディング (Forwarding) という。
IPv4パケットの場合の流れを説明すると、
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ルーターが、IPパケットを受信すると、その中のIPパケット・ヘッダーから宛先アドレス (Destination Address) を読み取る。
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ルーティング・テーブルと宛先アドレスを照合し、合致するものがあれば、ネクストホップ (Nexthop) のIPアドレスから、ネクストホップに到達するためのレイヤ2アドレスを調べる。
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ARPテーブルを参照し、なければARPパケットを送信して、宛先MACアドレスを取得し、ARPリクエストにレスポンスがあれば、ARPテーブルを更新し、パケットを転送する。なければ、送信元アドレス (Source Address) にパケット到着不可である事を示すメッセージ (ICMP「Host Unreachable」) を送信元に返す。
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パケットのヘッダをネクストホップに書き換える。
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パケットを転送先のインターフェース (Interface) に送信する。
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ルーターにデフォルトルートの設定がなく、ルーティングテーブルにマッチしなければ、未知の宛先とみなされ、パケットは破棄されて、送信元アドレス (Source Address) にパケット到着不可である事を示すメッセージ (ICMP「Net Unreachable」) を送信する。