トランクポートとは
トランクポートは複数のVLANを抱えているポートになります。主にスイッチ同士を接続する際に使用するポートをさします。通常は1ポート1VLAN(これをアクセスポートと言います。おさらいですね。)ですがトランクポートの設定を行えば、1ポート複数VLANを抱えることが可能です。
このようにすることでポートの節約ができますね
トランクポートの設定と検証
トランクポートには動的な設定と静的な設定の2通りがあり、コマンドで選ぶことができる
動的な設定の方法
(config-if)#switchport mode {dynamic desirable / dynamic auto }
dynamic desirable
対向のリンクがauto、trunk、desirableのいずれかであれば、トランクモードになる。
dynamic auto
対向のリンクがtrunkあるいはdesirableであれば、トランクモードになる
トランクポートの設定の際お互いのスイッチでDTPフレームを送ったり、送られたりすることによりネゴシエーションを確立する。対になっているスイッチが以下のようになっている場合は変更が可能。ここでは仮にとしてSW1 SW2という2つのスイッチがあるという前提でお話しますと、、、、、
SW1 dynamic desirable SW2 dynamic desirable
SW1 dynamic desirable SW2 dynamic auto
SW1 dynamic desirable SW2 dynamic desirable
SW1 dynamic desirable SW2 dynamic auto
でネゴシエーションが確立する。
動的なトランクポートの設定
このような設定をつくりましたので確認してみてください。
(付け加えますが、各インターフェイスにipアドレスをつけ、名前をつけるという入力は必ず行っていますので、自分で一から作る場合はその設定を怠らないようにしてください。)
設定は下記のようになります
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トランクプロトコルの設定 ISLか801.1qですが今回は801.1qで設定します
Switch trunk encapsulationコマンドを使います
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トランクポートの設定
スイッチポートをトランクへ設定します
Switch mode trunk を使用します
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DTPの停止
DTP (Dynamic Trunking Protocol) は、SWポートに対して、「アクセスポートまたはトランクポートにするのかを動的(自動的に)決定することができる」シスコ独自のプロトコルです、。
Switch mode trunkで設定を行ってもDTPフレームは送信される。しかし今回の場合は必要がない(手動設定のため)のでDTPフレームは止める。
Switch nonegotiate を入力します。これにより余計な設定を行わないのでネットワークとしての安定性が増します
上記ではDSWとASW1のみ設定が必要になるので入力例を実際に見てください
このケースですと設定を入れ終わると全てがコネクトずみの緑のリンクに変わるようになります。
すでに説明済みですがスイッチ間のラインが緑の点に上記のように変わっておればリンクが確率させている。
DSW向け設定
まずDSEからみて両サイドのSWのポートに対して設定を行います。
それではASW1にも設定を行いましょう。
これも両サイドのSWのポートに対して設定を行います。設定するのはあくまでASWと
DSWですが、、、
では確認コマンドです。show interface trunk コマンドを使用します。
重要なのがmode encapsulation statusです
Mode on の場合はtrunkの場合はon ,autoならoffになります
Encapsulation カプセル化タイプ
Status がtrunnking ならトランクされているということになる。されてなければnot-trunkingと表示されます。
次にshow interface fastethernet swithport コマンドを使います
では上記デフォルトVLANを変更するには?
Switch(config-if)switchport trunk native vlan(vlan-id)を行う
ではshow run で確認します
変更かかりました。
VTP
VTP(VLAN Trunking Protocol)はトランクポートからVTPアドバタイズメントと呼ばれるメッセージを送信して、スイッチネットワーク全体で設定されているVLAN情報の同期をとるシスコ独自のプロトコル
VTPで何ができるか
VTPを利用することで、管理者は1台のスイッチに対してVLANの追加、名前変更、削除などを行うだけで同じグループ( 同じVTPドメイン )の全てのスイッチにVLANの追加、変更、削除の情報が通知(同期)されます。
VTPにはサーバ、クライアント、トランスペアレントの3つのモードがありますデフォルトはサーバモードとなります。
サーバ | サーバモードではVLANの作成、変更、削除することが出来る。 スイッチで設定したVLAN情報は、VTPアドバタイズメントで通知される。 |
クライアント | クライアントモードではVLANの作成、変更、削除することができない。ゆえに このモードのスイッチが、VTPアドバタイズメント通知はしない。ただし VTPアドバタイズメントを受信すると、同期を行い他のスイッチへ転送する。 |
トランス ペアレント |
トランスペアレントモードでは、VLANの作成、変更、削除ができる。ただし 設定したVLAN情報は、VTPアドバタイズメントにより通知されない。また VTPアドバタイズメントを受信しても、同期しないが他のスイッチへ転送する。 |
VLAN間ルーティング
先ほどはVLAN間では通信ができないという話をしましたが、ではどうすれば通信ができるか?を確認していきたいと思います、
- ルーターを利用する(VLANを使用しない場合はこれでOK、しかしVLANの数だけスイッチポートが必要になる。)
- L3スイッチを利用する(VLANを使用する場合はこちらでOK。)
- 1台のスイッチとルーターで行う場合。
たとえばこのようにスイッチとルーター間をVLANの数だけ分けることも可能ですがスケーラブルではありません。
Router on a stick を使う
ではどうするかRouter on a stickを使うことで解決できる。
本来でしたらスイッチ、ルーター間で各VLANが必要になりますが、
上記のように各インターフェイスに対して設定を行うことで、VLAN間通信がルーターとスイッチ一台とケーブルが1本で実現可能となる。
では設定を説明していく
上記のような設定をつくったので実際にコマンドを入力してみてください
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ルーターに対して以下の設定をおこなっていきます
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スイッチに対しても同じように設定をおこなっていきます
*今回コマンド入力をパケットトレーサーで試してみましたが、一部コマンド入力ができませんでしたのでここでは入力すべきコマンドのみ載せておきます
Switch(config )#vlan10,20,99 これで3つイッキにVLANをつくります
Switch(config-vlan )#exit
Switch(config )#interface range fastethernet 0/1 – 3
これでfa1-3 まで設定できます
Switch(config-if-range)switch mode access
アクセスポートに設定
Switch(config-if-range)interface fastetherne 0/2
fa0/2に入り
Switch(config-if)switch access vlan 10
vlan10を割り当て
Switch(config-if-range)interface fastetherne 0/3
fa0/3に入り
Switch(config-if)switch access vlan 20
vlan20を割り当て
Switch(config-if-range)interface fastetherne 0/12
fa0/12に入り
Switch(config-if)switchport trunk encapsulation dot1q
トランクに801.1qを設定
Switch(config-if)switchport mode trunk
トランクモードへ設定
Switch(config-if)switchport nonegotiate
DTP送信を止める
Switch(config-if)switchport trunk native vlan 99 ネイティブVLANを99へ変換
Switch(config-if) interface vlan1
vlan1に設定するモードへ
Switch(config-if)ip address 172.16.1.100 255.255.255.0
スイッチのIPアドレスを設定
Switch(config-if)no shutdown
有効化
Switch(config-if)exit
Switch(config)ip default-gateway 172.16.1.254
Switch(config)exit
以上になります。
総括
今回の設定は長かったですが、一つ一つ手作業でコマンド入れることで、だんだんと理解が深まる内容となっています。
仕事ではこんな感じで手作業で打ち込むことはないんですが、実際にパケットトレーサーで構成が作れるようになれば
上流工程に携わることも可能となります。
頑張りましょう!!!!
Originally posted 2019-01-05 17:39:27.